HYROX初心者が後半に失速。実際のトレーニング記録から原因候補を考えた
HYROX系のトレーニングを本格的に始めて約1か月。最近、かなりはっきりしてきた課題がある。
後半になると、明らかに動けなくなることだ。
僕は29歳で、2026年8月頃からグループトレーニングに週4〜5回ほど参加している。HYROXの公式レースにはまだ出場していない。今はレースに向けてトレーニングしている段階だ。
後半に失速する原因として、最初は心肺持久力や全身の筋持久力が足りないのではないかと考えた。ただ、実際の記録を見返して調べてみると、握力、種目ごとの局所疲労、種目間の回復、ペース配分など、ほかにも複数の候補がある。
現時点では、どれが主な原因なのかは分からない。今回分かったのは原因そのものではなく、次のトレーニングから何を測れば検証できるかだった。
実際のトレーニングで何が起きたのか
8月24日頃、本格的なHYROX系トレーニングを開始
初めて本格的なHYROX系トレーニングを行ったのは、2026年8月24日頃だった。600mのランを6回行うメニューなどが含まれ、全体で約48分。ほかの種目や正確な順番、休憩時間は記録できていないため、開始時期を示す記録として扱う。
9月12日、種目ごとの現在地が少し見えた
9月12日は、ラン、ランジ、バーピー、Row、Farmers Carry、Sled Push、SkiErg、Sled Pull、Wall Ballなどを行った。
ランでは4分30秒を13km/h、その後の30秒を15km/hで走った。Rowは5分弱で930m、SkiErgは5分弱で850m。どちらも4分30秒程度を一定ペースで進め、最後の30秒を追い込んだ。
一方で、特にきつかったのはBurpeeとWall Ballだった。Farmers Carryでは連続して持てる時間が30秒弱程度になり、握力と忍耐力がボトルネックになっている感覚があった。
当時の記録ではランが複数回あるが、13km/hから15km/hへ上げた設定がどのランに当たるのかまでは確定できない。Farmers CarryやSled、Wall Ballの重量も記録していなかった。


9月18日、後半に複数種目で出力が落ちた
後半失速を強く意識したのは9月18日のトレーニングだった。
この日はランと各種目を4分ずつ交互に行い、合計12セッション。最初はランから始まり、その間にBurpee、Farmers Carry、Sled Push、Sled Pull、Row、SkiErgなどを実施した。正確な全順序は記録に残っていない。
前半を終えて後半に入ると、通常のランペースを維持できなくなった。SkiErgを思うように引けず、Sled Pushを思うように押せず、Sled Pullも思うように引けなかった。
感覚としては明確なパフォーマンス低下だった。ただし、各ランで何m進んだのか、SkiErgの出力が前半からどれくらい落ちたのか、心拍数がどう変化したのかは記録していない。
つまり、「後半に落ちた」という実感はある一方、何がどれくらい落ちたのかを数字では説明できない状態だった。


自分では筋持久力不足などを疑った
僕が原因候補として考えたのは、次の6つだった。
- 心肺持久力
- 全身の筋持久力
- 種目ごとの局所的な筋持久力
- 握力
- 種目間での回復能力
- ペース配分
単純に心肺だけの問題ではなく、全身の筋持久力が足りていない可能性があると考えていた。Farmers Carryでは握力、BurpeeやWall Ballでは全身持久力というように、種目によって別の場所が先に限界へ近づいている感覚もあった。
ただし、これはトレーニング中の体感から立てた仮説であり、医学的・運動生理学的に確認したものではない。
調べて分かったのは、原因を一つに絞れないということ
HYROXではランが競技時間の大きな部分を占める
公式HYROXは、1kmのランと1種目を交互に8回行う。合計8kmを走り、後半にはRow、Farmers Carry、Sandbag Lunge、Wall Ballが配置されている。HYROX公式ルール
経験者11名によるOpen形式の模擬レースでは、総時間の中央値86.5分に対してランは51.2分だった。PRO・ELITEの公式結果39,696件を分析した別の研究でも、ランは総時間のおよそ50%を占めている。Brandt et al., 2025、Rappelt et al., 2026
心肺だけでなく、各種目の負荷も考える必要がある
同じ11名の研究では、模擬レース全体の平均心拍数は中央値170.9bpm、最大血中乳酸は8.5mmol/L、RPEはBorg 6〜20尺度で最大18だった。各種目ではランより平均心拍数、最大乳酸、RPEが高く、VO2maxと総合・ランタイムには相関が確認された。
ただし、対象は公式レース経験のある11名。開始約1か月で公式レース未出場の僕とは条件が違い、相関も原因を証明するものではない。ここでは、心肺と種目負荷の両方を記録する理由として扱う。
後半にラン速度が落ちた研究もある
公式レースに出場したPRO MEN 24名の研究では、平均ラン速度が1本目の16.13km/hから8本目の13.58km/hへ段階的に低下していた。Gutiérrez-Hellín et al., 2026
研究では後半の速度低下が確認された一方、僕には前半・後半のペース記録がない。また、研究対象は平均レースタイム約70分の男性PRO選手で、僕の基準値にはできない。次回から自分のペースを測り、実際の低下幅を確認する。
現時点で考えておきたい原因候補
研究では、持久力に関する指標と成績の相関や、後半のラン速度低下が確認されている。僕については前半・後半のペースがないため、心肺持久力とペース配分を次に測る対象とする。
一方、9月18日はランだけでなく、SkiErg、Sled Push、Sled Pullでも出力低下を感じた。全身・局所の筋持久力を考えるには、各種目の重量、距離、回数、前後半の出力が必要になる。
握力については、Farmers Carryを連続して持てる時間が30秒弱になったという記録がある。既存研究で測られた最大握力と、持ち続ける握力持久力は別なので、次回は保持時間と置いた回数を記録する。
種目間の回復は、終了時と次のラン開始時の心拍や移行時間がないため、現在は評価できない。
今の記録だけでは分からないこと
今回、原因を絞りきれなかった一番の理由は、9月18日の体感を比較できる数字がなかったことだった。
各ランのペースや距離、各種目の重量と出力、休憩・移行時間、RPE、全体時間が残っていない。失速しなかった同条件のセッションもない。
これは「後半に動けなかった」という感覚が間違っているという意味ではない。その感覚が、心肺、筋持久力、握力、回復、ペース配分のどれと関係していたのかを切り分ける材料がないということだ。
原因候補をさらに調べる前に、まず比較できる形で自分のトレーニングを残す必要がある。
次回から最低限この6項目を記録する
次回以降は、記録項目を増やしすぎず、次の6つを最低限残す。
- セッション条件:種目順、各ブロックの時間、重量・距離、休憩・移行時間。
- 各ランのペースまたは距離:4分間で何m進んだか、または平均ペースを記録し、前半と後半を比べる。
- 主要種目のタイム・出力:RowとSkiErgの距離や
/500m、Sledのタイム、Wall Ballの回数など。 - Farmers Carryの保持時間と置いた回数:重量も一緒に残す。
- RPE:今後は簡便な0〜10尺度に統一し、少なくとも序盤、中盤、終盤、セッション終了時に記録する。研究で使われたBorg 6〜20尺度とは直接比較しない。
- セッション全体の時間:休憩や移行時間を含むかどうかも統一する。
心拍数は、手元の機器で無理なく取れる場合だけ補助的に使う。Sled PullやFarmers CarryではOura Ringを保護するために外しているので、欠測した数値を推測で補うことはしない。
同じ条件に近いセッションで検証する
今後は2〜4週ごとに、種目順、時間、重量、休憩ができるだけ近いセッションを比較したい。
見るのは、後半のランペース、後半の各種目の出力、Farmers Carryの連続保持時間と置いた回数だ。全体時間だけでなく、RPEやその日の体調も一緒に残す。
同じような条件で後半の低下が小さくなれば、改善した可能性を考えられる。逆に条件が大きく違う日は、無理に前回と比較しない。
原因ではなく、検証方法が分かった
HYROX系トレーニングを始めて約1か月。後半にラン、SkiErg、Sled Push、Sled Pullの出力が落ちることは、僕が実際に感じている課題だ。今のデータだけでは、その原因までは分からない。
今回の到達点は、原因を断定できたことではなく、原因を判断するために何を測ればよいかが分かったことだ。次回から同じ条件に近いセッションの記録を残し、後半の出力低下が小さくなっているかを追っていく。
Sources
- HYROX Singles Rulebook
- Brandt et al. (2025), Acute physiological responses and performance determinants in Hyrox
- Gutiérrez-Hellín et al. (2026), Relative Running Intensity and Pacing During an Official HYROX PRO MEN Competition
- Rappelt et al. (2026), Longitudinal performance development in PRO and ELITE HYROX competitions